人の心の揺れを読み解くカギは「行動経済学」

 こんにちは、みょうじんです。人の心の揺れを読み解くことができる行動経済学。こんな言い方をされるとすごく怪しいですよね。人の心の揺れって何?なんて疑問を持っている方もいると思います。僕もちょっと胡散臭いかなぁと思いながらタイトルをつけました。しかし、行動経済学って本当に役に立ちます!ビジネスだけではなくて、普段の生活も楽しくなるんですよ!

 たとえば、コロナ禍で皆さん、普段はマスクをしていると思いますが、以前、マスクが品薄になるという情報が流れて皆がこぞってマスクを必死に買い占めましたよね?このように「情報に左右されて買い占める」という行動は行動経済学で説明ができるんですよ。興味わきませんか?

 その他にもコロナ関係だとコンビニやスーパーなどへ行ったとき入り口にある体温感知センサーや消毒液の前に矢印ありますよね?無意識にその矢印に従ってないですか?これも行動経済学の理論を使っているんですよ。無意識にお客様を従わせることができる・・・なんか集客に使えそうですよね?行動経済学を知ることでビジネスがうまくいくというのが何となくイメージできそうですか?

 これから、どんどん行動経済学について紹介しますのでそのふんわり浮かんだイメージを具体的に形にしていきましょう。今回の記事では行動経済学の基本的な考え方についてまとめています。まずは、考え方をしっかり身につけてあなたのビジネスの糧にしましょう。皆さんの身の回りにある事例を用いてわかりやすさを重視して、紹介しますので、ぜひ、楽しみながら学習してください。

人の心の揺れはつかめない?

 さて、いきなりですが質問です。今回のパートの見出しにある「人の心の揺れ」とは、どんなことだと思いますか?人の心が揺れるときって、どんなときでしょうか?

 1つ具体的に例を出してみましょう。イメージしながら聞いてください。ポイントは気持ちを想像することです。さて、あなたは、買い物をして会計のためにレジ前に並んでいます。ふと横を見るとチョコが売られています。気になりますよね〜しかし!実はあなたはダイエットの真っ最中!あなたは悩みますよね?買うか?買わないか?

 結局、あなたは誘惑に負けてチョコをカゴの中に入れてしまいます。はい。イメージできましたか?ダイエット中なのにチョコの誘惑に負ける気持ちのイメージです。ダイエット中なので、買うか買わないか迷いましたよね?気持ちが揺れましたよね?これが心の揺れです。今回は、僕がお店側のチョコ誘導作戦に釣られたという実話です。僕はお店の作戦で「心の揺れ」をつかまれてしまいました。

 こんな感じで、人の心の揺れは掴むことができるんですよ。人の心の揺れをイメージしてもらったところで行動経済学について基礎的な部分を紹介しますね。

 行動経済学は、2017年にリチャード・セイラーという経済学者がノーベル経済学賞を受賞したことで注目を浴びた学問です。近年、ビジネスにおいて最重視されていて、人の不安定な心の動きや行動を分析し、構築した理論を社会において活用しています。行動経済学は学ぶだけでなく実践することで活きる学問と言えるでしょう。

非合理こそ人間らしさ

 行動経済学は人の不安定な心の動きや行動を分析することから「非合理から生まれた学問」ともいわれています。では、行動経済学はどのようにして誕生したのでしょうか?それを説明しましょう。

 そもそも、漢字3文字の「経済学」ってありますよね?昔からある「経済学」です。経済学が2つもあるとややこしいと感じる方もいるかもしれません。実は行動経済学はこの経済学をフォローする形で生まれたんです。

 そのヒントは、それぞれが想定する人間像にあります。今までの「経済学」が定義している人間像は「人間は常に合理的に、自分の利益に向かって行動する」です。そして、「行動経済学」が定義している人間像は「人間はブレやすく非合理的なもの」です。聞いた感じはどうですか?ちょっと難しいでしょうか?

 今までの「経済学」の人間像を少しわかりやすく説明すると・・・「常に自分の利益だけを考えていて知識がいっぱいあって、さらに計算高くしかもミスもしない人間」なのです。これではロボットですよね?僕はこのような超合理的な人間が存在するとは思いません。おそらく地球にはいないでしょう。ただ、昔はこの机上論の人間像がまかり通ってたわけです。

 しかしですね、時代が進むにつれて人の行動に対して説明が出来なくなってきたんですね。例えば、超合理的人間説では、ボランティアや寄付、募金といった他人のためにする奉仕活動って説明ができませんよね。そうなると従来の経済学では人間の行動をすべて説明しきれないということになります。そこで誕生したのが「行動経済学」ですね。

 ですから、冒頭にお伝えした行動経済学が従来の経済学のフォローする形で生まれたということになるんです。ビジネスにおいて従来の経済学の理論も非常に重要です。ただ今回は、従来の経済学は横においておいて行動経済学を楽しみましょう。

いつも同じものを買うのはなぜ?

 消費行動として、わかりやすいのが買い物なので買い物でたとえます。商品は何でもいいんですけど、買い物に行ったときに例えば、いつも買っているウインナーがあります。そして、その横に別ブランドのウインナーが30円安く売られているとします。あなたならどちらを買いますか?

 この例えの答えは人によって違うと思いますが僕は、いつものウインナーを買います。なぜ、僕はいつものウインナーを買ったのでしょうか?それはですねどんな商品なのかを僕は知っているからです。僕はこのウインナーを実際に食べて食感や味を知っていて特に変えようとも思っていないからです。これをですね行動経済学の理論でいうと「現状維持バイアスが効いている」といいます。

 バイアスとは、偏りを意味します。偏向や先入観ともいえます。要するに現状維持バイアスとは現状を変えたくないという心理ですね。これは、心が安心や安定を無意識のうちに潜在的に求めているんです。なので、先ほどのウインナーの話に戻すと僕は少し安いからといって、安心や安定を手放すのが嫌でいつも食べてるウインナーを買ったということになります。

 では、この現状維持バイアスが働いているお客様に買ってもらうためにはどうすれば良いと思いますか?例えば、もし別ブランドのウインナーが半額で売られていたらどうでしょうか?また、有名なシェフが別ブランドをCMでおすすめしていたらどうですかね?おそらく結果は変わってくると思います。この考えはどの様に集客に結びつくでしょうか?考えてみてください。

高い、安いは気持ち次第?

 みなさんは心理会計をご存じでしょうか?心理会計はメンタルアカウンティングともいわれており、心理学でも使われてる言葉です。心理会計とはお金に対する心の揺れのことですね。

例えば、今回、みなさんはこの記事を3000円支払って購入していたとしましょう。この記事の内容があなたの期待以上の収穫があった場合と内容が薄くてすでに知っている情報ばかり何の役にも立たなかった場合、この3000円の支払いをどのように感じますか?

 高いと感じますか?安いと感じますか?おそらく、前者の期待以上の情報を得た場合は安く感じ、後者の何の役にも立たなければ高いと感じますよね。商品やサービスの内容次第で同じ金額を払っていても人の満足感、気持ちによって感じ方が変わってきます。私も今、あなたに満足してもらえるように頑張っています。なので、最後までついてきてくださいね。

 では、話を戻しますが、先ほどの例え以外にも価値に対する理論で「損失回避性」という理論があります。例えば、1万円をもらったときの喜びと1万円を失ったとき悲しみの心の揺れ、感情を感じてみてください。どちらの気持ちが重いでしょうか?それは失ったときの悲しみですよね。得したときと、損したときの感情を比較すると得したときより損したときの方が2倍以上重く感じるそうです。

 人の心は弱いものです。誰しも損はしたくありませんよね?心理会計と損失回避性を合わせて紹介しましたが一度、購入して損した気分を味わうと2度と購入してくれません。商品やサービスをつくるときクライアントを対応するときはこの2つの理論を忘れないでください。

景気は人の心が左右する?

 景気の気は気持ちの「気」という説があります。今からお話しするのはお金の価値に関する話です。心の揺れを意識してイメージしてください。さて、ここに10万円があります。この10万円はあなたが一生懸命、働いて稼いだお金です。さて、この10万円をあなたならどう使いますか?

 食費に使いますか?欲しいものを買いますか?貯金する人もいますよね?一生懸命働いたお金なので大事に使おうと考えますよね?ここまで大丈夫でしょうか?ノートに書いてみてください。

 では、次に・・・もし、この10万円が働いて稼いだお金じゃなくて宝くじで当たったお金ならどうでしょうか?たまたまラッキーで当たったお金です。どうですか?僕ならですね。そうですね。。。妻と一緒に以前から行きたかった温泉旅行に行きますね。10万円もあれば交通費を入れてもちょっと贅沢な旅行ができますよね?ゆっくり温泉に入って美味しいもの食べて贅沢したいですねぇ。あなたはどうですか?宝くじで10万円当たったらどのように使いますか?

 人それぞれだと思いますがイメージできましたか?心の動きや揺れを感じてもらえましたか?働いて得た10万円と宝くじで当たった10万円同じ10万円なのに心の動き方が違ったと思います。働いて得たお金はどちらかというと大切に使いますよね?では、宝くじであったお金はどうでしたか?気持ちが緩んでパッと使いがちです。

 このように同じ10万円なのに心理状況によってお金の使い方が変わってくるんです。これは、経済状況でも例えることができます。経済の状況が悪いと財布の紐をしますよね。反対に経済の状況が良いとどうでしょう?経済の状況が良くなれば、収入なども増えて人の気持ちに余裕が生まれます。だから、旅行や買い物などに行きますよね?そうするとお金がまわるようになるので景気がよくなりますよね。

 実際に、株価の上がり下がりは投資家の欲や心理状況によって上がり下がりしていますよね。これも行動経済学では、「行動ファイナンス」という理論で説明できます。人の心次第でお金を動かすことができます。さて、あなたはどのようにしてクライアントの心を動かしますか?考えてみましょう。

人の心とお金の流れを読み解く

 行動経済学は、マーケティングと密接な関係があります。行動経済学=マーケティングという人もいるんです。マーケティングは端的にいうと人の消費行動や社会情勢、流行りなどを分析して、商品やサービスが売れるようにすることです。一方、行動経済学は、人の心の揺れや行動を分析し、社会のためにどう役立てるのかという学問です。

 この関係性はわかりますか?説明するとマーケティングで分析し、商品やサービスを売る戦略や戦術を立てますよね?このとき戦略や戦術を立てる時に行動経済学を使うと人の心の揺れや行動から、現実的な戦略や戦術を立てられるようになります。ここまで大丈夫でしょうか?

 マーケティングが苦手という人はデータを収集してそのデータの整理はできるけど、分析ができなかったり戦略や戦術を立てられない人が多い印象です。この原因は顧客目線に立っていないというケースが大半です。そこで行動経済学を知ればどうなりますか?

 行動経済学を知ることで人の心の揺れを把握することができるようになりますよね?そうなると分析のときに今までと違う切り口が見えてきたり、戦略や戦術のアイデアが出てくるようになるんです。これが「人の心とお金の流れを読み解く」です。ぜひ、この学習が終わったら、自社もしくは自身のビジネスデータを一度、みてください。今までと違う視点で何か突破口が見えるかも知れません。

実はマネジメントにも使える行動経済学

 タイトルに書いてあるように実は行動経済学はマネジメントにも使えるんです。まぁ、人の心の動き、揺れと行動を分析してそれを活かすのが行動経済学ですから大体、想像がつきますよね?実際、人材教育の世界で行動経済学の理論が使われています。

 一般的に使われているのが「ナッジ理論」です。ナッジ理論については後のパートで詳しくご紹介しますがナッジとは「ちょっとヒジで押す」「後押しする」という意味です。何か決めるときや行動を起こすときにさりげなく働きかける感じですね。

 そして、人材育成においてナッジ理論に使われているのが「EAST(イースト)」というフレームワークがあります。「EAST(イースト)」は

  • Easy(イージー)
  • Attractive(アトラクティブ)
  • Social(ソーシャル)
  • Timely(タイムリー)

それぞれの4つの頭文字をとっています。

 Easy(イージー)は「簡単にする」や「行動のハードルを下げる」ということを指します。シンプルにするということです。タスクを細かくしたり、選択肢を少なくしたりしてより簡単にすることで作業に集中しやすい環境を作ります。

 そしてAttractive(アトラクティブ)は「目的意識を持たせる」や「魅力的である」ことを指します。やはり、ビジネスにおいて目的は大切です。ただの目的ではなく、魅力的な目的です。魅力的な目的は、人それぞれだと思いますから個人にとってやりがいが出る目的を設定させることがポイントです。

 次に、Social(ソーシャル)は「社会的」や「周囲の期待に応える」ことを指します。これは多くの人はどのようなことをしているのかなどの情報を与えて誘導します。よくフィードバックのときに行われる手法です。期待の意味も含めて伝えるとモチベーションアップにつながります。

 最後のTimely(タイムリー)は「適切なタイミングで行う」ことを指します。何事もタイミングって本当に重要ですよね。適切なタイミングを見計らって情報を伝えることでこちらの意図をうまく汲み取ってくれたりすぐに行動を起こしてくれたりします。

 僕が人材育成で気をつけていることは感謝を必ず言葉で伝えることです。何かを頼むときに「いつもありがとう」と付け加えるとお互いが快く仕事できるようになります。実は「いつもありがとう」と付け加えることもナッジ理論なんですよ。他にも色々とありますが、調べてみてください。そしてマネジメントに活かしましょう。

小テスト

 ではここで抜き打ち小テストです。ここまでのパートをしっかり学習していれば、簡単なものばかりなので、ぜひ学習の定着度合いをはかるためにも、チャレンジしてみてくださいね。

問題1

下記の4つの中で誤っているものを一つ答えなさい。

①行動経済学の理論でいくと「現状維持バイアスが効いている」状態というのは、例えば普段購入している商品と同じような品質で価格も安いにもかかわらず、いつもの商品を購入してしまうことをさす。

②マーケティングは人の消費行動や社会情勢、流行りなどを分析して、商品やサービスが売れるようにすることである。

③「経済学」が定義している人間像は「人間はブレやすく非合理的なもの」に対して、行動経済学が定義している人間像は「人間は常に合理的に、自分の利益に向かって行動する」である。

④人間には「損失回避性」という性質があり、得したときより損したときの方が2倍以上重く感じてしまう。

答え

③ 経済学と行動経済学が定義している人間像はそれぞれ逆である。

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