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集客・マーケティング

発信が続かないのは意志のせいではない。「続ける」ではなく「やめない」と決める下限の作り方

SNSやブログの発信が続かないのは、意志が弱いからではありません。「毎日やる」と、やる気が要る形のまま決めているから続かないのです。僕は「続ける」ではなく「やめない」を目標にして、これ以上は下げないという下限(どんな週でも最低これだけはやる量)を先に決めています。

「やめない」とは、頻度や出来が落ちても、ゼロにはしないということです。下限を決めておけば、忙しい週に予定が崩れても、発信そのものは終わりません。

僕は一般社団法人アインで、お客さんの発信から相談までの道を一緒に作っています。発信が止まって困っているという相談はとても多く、その多くは、続かない理由を本人の根性に置いたまま悩んでいます。この記事では、根性の話をやめて、条件を動かす考え方を書きます。

発信が続かないのは、意志が弱いから?

結論から言うと、違います。続かない人の多くは、続けにくい形で始めています。

たとえば「毎日投稿する」と決めたとします。これは、体調が悪い日も、本業が立て込む日も、ネタが思い浮かばない日も、同じ量をこなす約束です。やる気が十分にある日しか守れない約束を、最初に自分と結んでいることになります。

やる気が出ないから続かないのではなく、やる気が要る形のままにしてあるから続かない。これが僕の見方です。形を変えれば、同じ人でも続きます。

ここで言う「形」とは、頻度、1回の量、始める時間、誰がやるか、の4つです。意志を強くするより、この4つを動かすほうが早く効きます。

左は毎日投稿の線が途中で切れて止まる図、右は下限の線の上で上下しながら最後まで途切れない図
毎日と決めると1回の欠けで線が切れる。下限を決めると、上下しても途切れない

「続ける」と「やめない」は何が違う?

「続ける」は、前と同じ頻度、同じ出来で進み続けることです。1回でも欠けると「失敗した」と感じやすく、そのまま止まってしまいます。

「やめない」は、ゼロにしないことだけを守るという考え方です。頻度が落ちてもいい。出来が落ちてもいい。ただ、完全には止めない。僕は発信でも制作でも、この線だけを守っています。

続けるやめない
守るもの前と同じ頻度と出来ゼロにしないこと
忙しい週欠けたら失敗と感じる下限まで落として続ける
止まった後再開しにくい(取り戻そうとする)再開しやすい(止まる前の最後の週と同じ量から戻れる)
向く人時間と体力に余裕がある人本業と並行して回す経営者

経営者や専門家は、本業の波がはっきりあります。波があるのに一定の量を約束すると、波の高い週に必ず折れます。折れ方が悪いと、「もう無理だ」とそのままやめてしまいます。

時間も体力も注意力も、使える総量は決まっています。ある週は本業に多く使い、発信が減るのは失敗ではなく、自然なことです。増やす手段は気合いではなく、人に任せる、仕組みにする、お金で時間を買う、といった自分以外の力を借りる方法だけです。だから、波がある前提で、下がっても止まらない線を決めておきます。借りる方法は後で詳しく書きます。

下限はどう決める?3つの段を先に作る

下限は、気分のよい日に決めてください。しんどい日に決めると、何もしない日を基準にしてしまい、ほぼゼロの量になります。一方で、最悪の週でも割らない量にすることが大事です。僕は次の3段で考えます。

理想の頻度、忙しい週、最低ラインの3段の階段で、いちばん下の最低ラインだけ濃く塗った図
3段のうち、守るのは一番下だけ。上の2段はできた週のおまけ
  • 理想の頻度:調子がいい週にやる量。たとえば週3本。守る約束にはしない
  • 忙しい週の頻度:本業が立て込んだ週にやる量。たとえば週1本
  • 最低ライン:どんな週でも割らない量。たとえば、メモを1つ書き留める。投稿の下書きを1行だけ残す

守るのは一番下の最低ラインだけです。理想の頻度に届かなかった週は、失敗ではなく「忙しい週の頻度」で動けた週と考えます。

最低ラインには、ゼロでないという意味だけがあれば十分です。メモ1つの週も、次に書く材料が手元に残るので、発信の流れは切れていません。完成した投稿でなくてもかまいません。「次に書く話題を1行メモしておく」だけでも、発信の線はつながっています。

最低ラインを決めるときのコツは、忙しさのいちばんひどい週の自分でもできるかと考えることです。できそうにないなら、まだ重すぎます。もう半分に減らしてください。

たとえば、理想は週3本、忙しい週は週1本、最低ラインは「話題を1行メモする」と決めたとします。本業が立て込んだ週は、メモ1行で終わっても、線はつながっています。次の週に余裕があれば、そのメモから1本書けます。反対に、最初から「毎週3本」だけを決めていた人は、メモ1行の週を「何もできなかった週」と数えてしまい、続ける気力を失います。同じ週でも、決め方によって、残る気持ちがまるで違います。

下限は、一度決めたら動かせないものではありません。生活や本業の波が変わったら、そのつど見直してかまいません。見直すときも、守るのは「ゼロにしない」という一点だけです。

完璧な1本より、未完成を何本も出す方が続くのはなぜ?

発信が止まる人に多いのは、1本を作り込みすぎて、出せないまま時間が過ぎる型です。出す前に何度も直し、納得できなくて下書きに戻し、そのまま数週間たつ。この間、世の中には何も出ていません。

僕が参考にしているのは、豊臣秀吉の「一夜城」の話です。完璧さを待つより、短期間でまず形にして見せたことが、強い印象につながった、という話です。発信でいえば、100点の1本より、40〜60点を何本も、早く出すほうが、挫折せずに続くという考え方です。

左は1本の完璧な記事の箱が出ないまま止まっている図、右は6割の記事が何本も外へ出ていく図
完璧を待つと外に出ない。6割でも出すと、見られて、反応が返ってくる

6割とは、言いたいことの芯と事実は入っていて、言い回しや構成にはまだ直せる所が残っている状態です。手を抜くことではありません。誤りや、読む人を傷つける表現が入らないように見たうえで、「もっと良くできる」という気持ちを置いて出す、ということです。出せば、反応が返ってきます。反応を見て直せば、次の1本が良くなります。

反対に、100点を待つ間は、反応も学びも手に入りません。止まる時間が長くなるほど、再開のハードルも上がります。

ただし、事実と数字の確認は6割にしないでください。根拠のない数字や、自分が経験していない話は書かない。急ぐのは仕上げの磨きであり、確かめる作業ではありません。

続いた人は、何を変えたのか?

発信とは別の分野ですが、同じことが言える話があります。少し前に、勉強が続かなかった人の話を聞きました。その人が続くようになったとき、変わったのは意志ではありませんでした。

  • 50分やって10分休む、という単位にした
  • 朝はシャワー、頭を空ける時間、作業、学習、という順番を決めた

この人は、根性を足していません。やることを、時計で測れる大きさに落としたのです。1回で全部を決めようとするほど、動けなくなります。順番と単位が決まると、その日の気分に関係なく、手が動きやすくなります。

発信に置き換えるなら、「毎日投稿する」を、次のような形に切り分けます。

毎日投稿するという大きな塊が、時計で測れる週1回30分1本という小さな塊に切り分けられる図
大きな約束を、時計で測れる小さな単位に切る
大きすぎる決め方測れる大きさにした決め方
毎日投稿する火曜の朝に30分、1本だけ書く
いい記事を書く最初の3行だけ先に書き、残りは次の日にする
ネタを考える話した内容を録音しておき、そこから1つ拾う
時間ができたらやる予定表に先に30分入れる

どれも特別な方法ではありません。大事なのは、始める時間と終わりの時間が、見て分かることです。「やれたかどうか」が自分で判定できると、やれた回数が積み重なります。

気持ちが乗らない仕事は、どうすればいい?

ここまでは続けるための形の話でした。もう1つ、僕が大事にしている考えがあります。気持ちが乗らない仕事は、続かなくなる以前に、品質が落ちる、ということです。無理に続けても、中身が良くならなければ意味がありません。

発信が嫌いなのに、「やらなければ」と自分を縛ってやり続けると、続いたとしても、読む人に届く文章にはなりません。気持ちが乗らない状態で書いた文章は、投げやりな調子や言葉の薄さとして、書き手が思っているより、読む人に伝わります。

だから、乗らない作業は、自分の根性で押し切らず、手元から外すことを考えます。ここで言う「外す」は、発信をやめることではありません。自分がやらなくてもいい部分を、人やAIに回すということです。

自分に残すものと、外に出すものはどう分ける?

発信の作業は、大きく2つに分かれます。自分でしか出せない部分と、誰がやっても同じ部分です。

自分に残す決めると語るの箱と、外へ出す整えると投稿と記録の箱を分けた図
決める・語るは自分に残す。整える・投稿する・記録するは外に出す
自分に残す外に出す
何を言うか決める(立場、判断)話した内容を文章に整える
自分の経験を語る誤字や言い回しの確認
事実と数字の確認画像づくり、投稿の予約
読者からの反応を見て方向を決める過去の発信の記録と整理

分ける基準は、自分でなければ出せないか、再現できるかの1本です。再現できるとは、手順が書けるということです。手順が書ける作業は任せられます。事実と数字の確認を残すのは、間違えたときの責任が自分に返るからです。再現できない部分、つまり自分の判断と経験だけを手元に残します。

ただし、任せる範囲を広げすぎないでください。判断まで任せると、発信が自分の言葉でなくなり、読む人に見抜かれます。外注で失敗する理由は、外注・運用代行に「全部任せます」で失敗するのはなぜ?の記事に書いています。AIに任せる場合の考え方はAIを入れたのに仕事が減らない理由をどうぞ。

外に出す作業は、頼み方も先に決めておくと続きます。何を渡すのか(話した録音か、箇条書きのメモか)、いつまでに返してもらうのか、最後に誰が確認するのか。この3つが決まっていないと、頼む側の手間が増えて、結局自分で書くほうが早いと感じ、また止まります。最終確認は、必ず自分の目で行ってください。自分の名前で出す文章の責任は、自分にあります。

また、1回話した内容を、記事、短い投稿、メールなど複数に展開すれば、ネタ切れも減らせます。その方法はコンテンツのリパーパスとは?に書きました。

止まったとき、どこで詰まっているかをどう見分ける?

下限を決めても止まることはあります。そのときは自分を責める前に、どこで詰まったかを見ます。発信の流れは、ネタを決める、書く、整える、出す、反応を見る、の5つに分けられます。ここでの「書く」は最初の下書きを作ること、「整える」は言い回しや構成を直して仕上げることです。止まるのは、たいていこのうちの1か所です。

ネタを決める、書く、整える、出す、反応を見るの5つの箱が矢印でつながり、そのうち1つだけが色で目立つ図
5つの工程のうち、止まる場所は1か所。そこだけを直す
止まる場所よくある様子先に動かすもの
ネタを決める何を書くか決まらず、画面を開いたまま終わる話した内容や聞かれたことから拾う。新しく考えない
書く書き出しで手が止まる。長く書こうとして重くなる最初の3行だけ先に書く。時間を30分で区切る
整える直し続けて出せない直す回数を先に決める。6割で出す
出す投稿ボタンの前で迷う予約投稿にする。出す時間を先に決める
反応を見る数字が悪いと嫌になる見るのは週に1回だけにする。数字より、返ってきた言葉を読む

原因を1か所に絞ると、直す量が小さくなります。「全部がだめだ」と感じているときほど、実際に重いのは1つの工程だけであることが多いのです。

止まった期間が長かったとしても、止まる前の最後の週と同じ、最低ラインの量だけやり直せば十分です。長く止まった分を取り戻そうとして、いきなり理想の頻度に戻すと、また同じ所で折れます。

どの工程で詰まっているのか自分では分からないときは、最後に出した投稿から今日までの間に何があったかを、そのまま書き出してみてください。本業が立て込んでいたのか、書き出しで手が止まったのか、出す前に迷ったのか。書き出すと、止まった場所が自然に見えてきます。

今日からできる、続く形への直し方

  1. 気分のいい日に、理想・忙しい週・最低ラインの3段を紙に書く
  2. 最低ラインを、いちばん忙しい週の自分でもできる量まで下げる
  3. 「毎日」「いい記事」のような大きな決め方を、時計で測れる単位に切る
  4. 最初の1本は6割で出す。事実と数字の確認だけは飛ばさない
  5. 自分でなくてもできる作業を1つ選び、外に出す手順を書く

1週間たったら、最低ラインを守れたかどうかだけを振り返ってください。守れたなら、その形で続けます。守れなかったなら、意志ではなく、決め方が重すぎたと考えて、量をさらに減らします。

この5つを一度にやる必要はありません。いまの発信がどこで止まっているかを見て、いちばん近い1つから始めてください。

発信の設計を、一緒に決めたいとき

アインでは、本や講座、SNS、メール、相談までの道をまとめて作り、公開した後の直しまで引き受けています。発信だけを切り離して頼むこともできますが、発信が相談や申し込みにつながる道ごと設計するほうが、続けた意味が残ります。発信が名簿や申し込みにつながる順番は、フォロワーが増えても売れないのはなぜ?とステップメールは何通がいい?にも書いています。

よくある質問

最低ラインは、どれくらいにすればいいですか?

いちばん忙しかった週の自分でもできる量にしてください。具体的な数字は人によって違うので、一律の目安はお約束できません。迷うなら、メモを1つ残すくらいまで下げて試し、余裕があれば上げます。

数日あいてしまったら、どうすればいいですか?

取り戻そうとせず、次の予定の枠から再開します。まとめて2本出す必要はありません。あいた期間は失敗ではなく、忙しい週だったと考えてください。

毎日投稿したほうが伸びますか?

投稿の頻度と成果の関係は媒体や内容で違い、ここで断言はできません。ただ、毎日と決めて途中で止まるより、無理のない頻度で長く続くほうが、読む人に覚えてもらえます。

ネタが尽きたときは?

新しく考えるより、すでに話したこと、聞かれたこと、お客さんのよくある質問から拾うほうが早いです。録音や、過去のやり取りの見直しが、ネタの置き場になります。

アインに頼むと、費用はどうなりますか?

月額33,000円(税込)に、事前に合意した対象の売上から合意した費用を引いた粗利の30%を加えた形です。発信だけを作る仕事ではなく、本や講座、SNS、メール、相談までの道をまとめて作る形で引き受けています。何をどこまで頼むかは、最初に一緒に決めます。僕の役目は、社外の立場で、何を作るかを一緒に決め、作って公開し、直すところまでやることで、これを外部戦略執行責任者と呼んでいます。詳しい中身は外部戦略執行責任者のページにまとめています。

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執筆・監修:荒屋明神(一般社団法人アイン 代表理事/外部戦略執行責任者)。最終更新:2026年11月6日