一般社団法人アイン 代表理事 荒屋明神|外部戦略執行責任者 無料で相談する
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コンサルに頼んでも実行されないのはなぜ?助言で止まる理由と、実行まで進める頼み方

コンサルに頼んでも実行されないのは、たいていコンサルの腕のせいではありません。「聞いて、教わって、自分でやる」という頼み方そのものに、途中でずれる段差があるからです。自社に手を動かす人と時間があるなら助言で足ります。ないなら、決めるところから作って動かすところまで引き受ける相手を選ぶほうが早く進みます。

「コンサルに毎月払っているのに、会議で決めたことが進まない」「提案書はよくできているのに、社内で誰も手をつけていない」。小さな会社の社長や個人事業主の方から、こうした相談をよく受けます。僕はこれまで600人以上の相談に乗ってきましたが、ここで止まっている人は本当に多いです。

僕自身、以前はコンサルや講座で「教える」側にいました。先に費用をいただいて教える形です。でも、教わった人が実際に動けずに終わることが多く、そこに無力感がありました。今は一般社団法人アインで、外部戦略執行責任者(社外から、何をやるかを決めて、実際に動かすところまで担う役目)として、何をやるかを決めるところから、作って公開して直すところまで引き受けています。この記事では、教える側と代わりにやる側の両方をやってきた立場から、実行されない理由と、頼み方の選び方をまとめます。

コンサルに頼んでも実行されないのはなぜ?

一番大きな理由は、知っていることと、やっていることが別物だからです。講座を買った人の多くは、内容を知ったところで止まります。コンサルの助言も同じで、「なるほど、そうすればいいのか」と分かった時点で、仕事が半分終わったような気持ちになりやすい。でも、実際にはまだ何も変わっていません。

もう一つは、受け取ったあとに誰が動かすかが決まっていないことです。助言は「こうするといい」という方向までで、ホームページを直す人、LINEの文を書く人、広告を設定する人は別に必要になります。小さな会社では、その全部を社長が一人で抱えていることが少なくありません。会議で決まった5つのことを、本業の合間に一人でこなすのは現実的ではありません。

検索で上位に出てくる記事の多くは、「社内に受け入れる担当を置く」「権限を決めておく」といった、ある程度の人数がいる会社向けの答えです。それも正しいのですが、担当を置く余裕がない会社では、そもそも置く人がいません。この記事では、そういう会社の目線で考えます。

「分かった」と「やった」の間で、何が起きている?

僕が支援してきた中で見えてきたのは、能力の問題ではなく、頼み方の形の問題だということです。人から聞いて、教わって、それを自分で取り組む。この流れは一見まっすぐですが、段を上がるたびに少しずつずれが生まれます。

  1. 聞く段階:相手が話した内容と、こちらが受け取った内容が少し違う。たとえば「SNSを強化しましょう」と言われて、相談役は投稿の中身を変えることを考えていたのに、社長は投稿の回数を増やすことだと受け取っていた、ということが起きます。
  2. 教わる段階:やり方を教わっても、自分の会社に当てはめるところで迷う。例は分かっても、自社の商品や客層ではどうするのかが決められない。
  3. 自分でやる段階:いざ手を動かすと、教わっていない細かい判断が次々に出てくる。そこで止まり、「行動できませんでした」になる。

三つ目で止まった人は、たいてい自分を責めます。でも、僕は本人のやる気や能力が足りなかったとは思っていません。段差が三つもある形で頼んでいれば、どこかで止まるのはむしろ自然なことです。

聞く、教わる、自分でやる、の3段の階段。段と段のあいだに、ずれが生まれるすき間がある図
段を上がるたびに、少しずつずれが生まれる

学んだだけで安心して、止まっていない?

もう一つよく見るのが、「買った」「学んだ」時点で安心してしまう形です。講座やコンサルを申し込んだ瞬間に「これで解決できる」と感じる。人は解決を買っているつもりで、実は安心を買っていることがあります。安心は手に入っても、事業の数字は動いていません。

実際、「売れません」と相談を受けて話を聞いてみたら、まだ商品を世に出していなかった、ということもありました。不安な人ほど、発信や営業を始める手前で止まります。教材を買い足したり、別の講座を受けたりしても、止まっている場所は変わりません。

原因は、たいてい避けている一つの工程です。自分の声を聞くのが苦手で動画が出せない、断られるのが怖くて案内を送れない、といった具合です。その工程だけを別の方法に変えるか、人に任せる。声が苦手なら、声を出さずに文字と画像で見せる動画にする。案内の文が送れないなら、文を人に書いてもらい、自分は送るボタンを押すだけにする。止まっている場所を見つけて外したとき、学んだことが初めて成果につながります。

学んだ、安心した、まだやっていない、を矢印でつなぎ、安心したところで止まっている図
学んで安心したところで止まると、何も変わらない

助言が効く会社と、効かない会社の違いは?

助言だけで前に進める会社もあります。違いは、次の三つがそろっているかどうかです。

  1. 自分で手を動かせる。言われたことを実際にやる人と時間が、社内にある。
  2. 止まっている原因が、情報か判断の不足。やり方を知らない、どちらを選べばいいか決められない、という詰まりである。作る力や人手が足りない、という詰まりではない。
  3. 間違えると、実害が出る。判断を誤るとお金や信用を失う場面なので、外の人の目を入れる意味がある。

三つがそろっている会社にとって、助言はとても役に立ちます。足りないのは情報と判断だけなので、それが手に入れば自分で進められるからです。逆に一つ目が欠けていると、どれだけ良い助言をもらっても、受け取る手がありません。話をしているうちは前に進んでいる気がしても、相談が雑談や愚痴を聞く時間に変わっていきます。

もう一つ大事なのは、相談役に頼んでも、やるのも結果を引き受けるのも頼んだ側に残る、という点です。相談役は事業を引き取ってくれるわけではありません。ここを曖昧にしたまま頼むと、「言われた通りにやったのに」というすれ違いが起きます。

自分で手を動かせる、止まっているのは情報か判断、間違えると実害が出る、の3つのチェックと、やるのも結果を引き受けるのも自分、の札
3つがそろっている会社には、助言がよく効く
確かめることそろっている場合そろっていない場合
手を動かす人と時間が社内にあるか助言を受けて、社内で進められる助言が積み上がるだけになりやすい。作るところまで頼む相手を考える
止まっている原因は何か情報や判断の不足なら、相談で解ける人手や作る力の不足なら、相談では解けない
間違えると、何を失うか失う物が大きいほど、外の目を入れる意味がある小さく試せる物なら、まず自分でやってみる
やった結果を誰が引き受けるか自分で引き受けると決めている決めていないなら、頼む前にここを決める

コンサルごとに言うことが違うのはなぜ?

何人かに相談して、答えがばらばらで混乱した経験がある方もいると思います。僕も、測りにくい成果を保証してほしいと頼まれた案件で、別のプロと僕とで真逆の答えになったことがあります。一人は「取れる」と答え、僕は「受けない」と答えました。それでも、どちらも間違いではありませんでした。

答えが割れたのは、答えた人の商売の型が違うからです。相手の考えを会話で変えて引き受ける人と、結果を測れない物は最初から受けない人とでは、同じ相談でも出てくる答えが変わります。アドバイスは、答えた人の得意なやり方から出てきます。

型の違う人の答えを混ぜて聞くと、どれも中途半端になります。相談相手を選ぶときは、答えが正しいかどうかより、その人のやり方が自分の会社に合うかどうかを見てください。そして、選んだら一つの型でやり切るほうが、ずっと前に進みます。今一人にだけ頼んでいるなら、その人のやり方が自社に合っているかだけを見れば足ります。

相談の時間を、実行につなげるにはどうすればいい?

今のコンサルや顧問との相談を続けるなら、相談の終わり方を変えるだけでも進み方は変わります。僕が自分の打ち合わせで続けているのは、次の三つです。

  1. 終わる前に、決まったこととやることを書き出す。誰が、何を、いつまでにやるかを一行ずつ書きます。期限が決まっていない物は、期限がないと書いておきます。
  2. 書いた物を相手に送って、合っているか聞き返す。「これで合っていますか。抜けている物があれば教えてください」と送ると、「これもお願いしていました」という返事が来て、抜けが見つかります。
  3. 次の相談の最初に、前回の分を確かめる。やった物、止まっている物を先に見ます。止まっている物は、判断で止まっているのか、作業で止まっているのかに分けます。

判断で止まっている物は、その場で相談役と一緒に決めてしまえば進みます。作業で止まっている物は、何度相談しても進みません。そこで初めて、作るところまで頼む相手が要るかどうかを考えます。この順番で見ていけば、「なんとなく進まない」が、「この作業を担う人がいない」という具体的な話に変わります。

相談役・実行まで引き受ける支援・作業の代行は、どう違う?

外に頼む相手は、大きく三つに分けられます。名前より、それぞれが何を引き受けてくれて、何がこちらに残るかで見るのが分かりやすいです。

頼む相手引き受けてくれることこちらに残ること向いている会社
相談役(コンサル・顧問)問題の整理、選択肢と方針の提示決めたあとに作ること、動かすこと、結果社内に手を動かす人がいる会社
実行まで引き受ける支援何をやるかを決め、作って公開し、数字を見て直すところまで会社全体の判断、最終の確認、自分の商品やお客さんのことを話すこと手を動かす人も時間も足りない会社
作業の代行(制作会社・運用代行)決まった範囲の作業何を作るか、どう使うかの方針と結果方針がすでに決まっている会社

どれが良い、悪いではありません。足りない物に合わせて選ぶことが大事です。方針が決まっていないのに作業の代行に頼むと、作った物をどう使えばいいか分からないまま終わりやすい。手を動かす人がいないのに相談役だけに頼むと、決めたことが積み上がっていきます。

どこまで任せて、何を手元に残すかの線引きは、「外注・運用代行に「全部任せます」で失敗するのはなぜ?」で詳しく書いています。

相談役、実行まで引き受ける、作業の代行、の3つの頼み先を並べ、それぞれが渡してくれる物を書いた比較図
頼む相手は、足りない物に合わせて選ぶ

成果が出た人は、何が違った?

僕が教える側にいた頃を振り返ると、全体をならして結果が出た人は、体感で2割くらいでした。ところが、話をちゃんと聞いて、半年から1年がっつり関わった人に限ると、体感で7割くらいの人に何らかの結果が出ています。どちらも統計ではなく、僕が関わった範囲の実感です。

一方で、講座で自分で学ぶ形は、どこまで頑張ってもこぼれる人が出ました。グループでの相談会や短い個別相談を付けても、ほとんど変わりませんでした。差がついたのは、本人の熱意より、関わり方の深さです。

ここから僕が出した答えは、「教わるだけでは、人はできるようにならない」ということです。冷たく聞こえるかもしれませんが、これは本人を責める話ではありません。教わって自分でやる形に限界がある、という話です。だったら形のほうを変えればいい、と考えました。

教わってもできないなら、どうすればいい?

僕がたどり着いたのは、教える商売を主にするのをやめて、代わりにやる側へ寄せることでした。教材を渡して終わりにするのではなく、見込み客が入口から相談まで進む道を、先に一本通してしまう。たとえば、本や講座、ホームページで見つけてもらい、LINEに登録してもらい、相談の申し込みまで進んでもらう、という一本の流れです。LINEを使っていない会社なら、メールや予約のページに置き換えても考え方は同じです。道ができてから、細かいところを一緒に直していくほうが、ずっと早く結果が見えます。

今の僕の進め方は、次のような形です。

  • 中に入る。LINEやサイト、サイトに来た人数を見る画面に、運用担当者として入れてもらいます。パスワードを預かるのではなく担当者として招待してもらう形なので、いつでも外せます。外から指示を出すだけにせず中に入るのは、直すたびに社長へ作業をお願いしなくて済むからです。
  • 詰まりを1つ、すぐ直す。いちばん詰まっている所を最初に直します。たとえば、LINEのリンクのつなぎ直しや、サイトの表示の不具合です。
  • 話してもらい、こちらで形にする。中身は音声やインタビューで話してもらい、文字にして叩き台を作るのはこちらです。社長は直すだけで済みます。
  • 数字を見て、次の一手を決める。公開したあとに、どこから何人来て、何人が相談に進んだかを数え、少ない所を直します。

社長にお願いするのは、話すこと、素材を出すこと、本人にしかできない登録や権限の追加、最後の確認です。社長が自分でやる作業を、最初から少なくしておく。そうすれば、段差でずれることもありません。

左は本を手渡しても道が途中で途切れている様子、右は入口から出口まで道が先に通っている様子の比較
教えて渡すより、道を先に通すほうが早い

実行まで頼む前に、何を確かめればいい?

「実行まで伴走します」と書いている会社は増えました。ただ、言葉が同じでも、中身はかなり違います。頼む前に、次の五つを確かめてください。

  1. 誰が手を動かすのか。その会社の人が作るのか、こちらの社員が作るのか。「一緒に考えます」だけなら、作るのは自社です。
  2. 中に入って作業できるのか。サイトやLINEの管理画面に入って、直接直してくれるのか。外から指示を出すだけなのか。
  3. 何を作って、どこまで納めるのか。企画書で終わるのか、公開まで進めるのか、公開後の直しまで含むのか。
  4. 自分に残る判断は何か。最終の確認、会社全体の方針など、こちらが決めることを先に分けておく。
  5. いつ、何が見えるのか。最初の1〜2週間で何が変わり、1か月後、3か月後に何を数えるのか。

この五つに具体的に答えられる相手なら、助言で止まることは少なくなります。逆に、ここがぼんやりしたまま始めると、結局また「決めたけど進まない」に戻りやすいです。

誰が手を動かすか、中に入って作業できるか、何を作って納めるか、自分に残る判断は何か、いつ何が見えるか、の5つの確認項目
頼む前に、5つを具体的に聞いておく

今のコンサル契約を続けるか迷ったら、何を見ればいい?

すぐに契約をやめる必要はありません。先に、今の状態を確かめてみてください。紙に次の三つを書くだけで、答えはだいぶ見えてきます。

  1. この3か月で受けた助言のうち、実際にやった物はいくつあるか。
  2. やっていない物は、どこで止まっているか。知らないからか、決められないからか、手が足りないからか。
  3. 止まっている物を、誰が動かすことになっているか。

止まっている理由が「知らない」「決められない」なら、今の相談役のままで解ける可能性があります。相談の時間を、止まっている物の判断に絞ってもらうよう頼んでみてください。理由が「手が足りない」なら、相談を増やしても解けません。作るところまで頼める相手を探す時期です。

やることが多すぎて、そもそも何から手をつけるか決められない場合は、やることが多すぎて優先順位を決められない。経営者が「やらないこと」から決める方法も参考にしてください。

よくある質問

コンサルは意味がないということですか?

そうではありません。社内に手を動かす人がいて、止まっている原因が情報や判断の不足なら、コンサルはとても役に立ちます。意味がなくなるのは、手が足りない会社が、相談だけで前に進もうとしたときです。

伴走型のコンサルなら、実行されますか?

伴走の中身によります。定例の会議で進み具合を確かめるだけの伴走なら、作るのは結局、自社です。管理画面に入って作業するのか、何を作って納めるのかを、契約の前に確かめてください。

社員がいない一人社長でも、実行まで頼めますか?

頼めます。一人の方こそ、手を動かす人がいないので、相談だけでは進みにくい立場です。話すことと最後の確認だけを自分に残し、作ることと動かすことを外へ出すと、本業の時間を守りながら進められます。

実行まで頼むと、自分では何もしなくていいのですか?

全部を手放すことはできません。会社全体の方針、最後の確認、自分の商品やお客さんのことを話すことは、社長にしかできないからです。ただ、文章を書く、ページを作る、設定するといった作業は任せられます。

助言どおりにやったのに成果が出ないときは、どうすればいいですか?

まず、どの段階で止まっているかを数字で確かめます。人が来ていないのか、来ても申し込まれないのか。止まっている場所が分かれば、直す物は一つに絞れます。全部をやり直す前に、その一か所を直してください。

講座で学んだのに動けないのは、自分のせいですか?

自分を責める必要はないと思います。聞いて、教わって、自分でやる形には、もともとずれる段差があります。動けない工程が一つ見つかったら、その工程だけ方法を変えるか、人に任せてみてください。

アインには、どこまで頼めますか?

合意した範囲で、何を優先するかを決めるところから、本や講座・LINE・ページを作って公開し、数字を見て直すところまで引き受けます。基本は月額33,000円(税込)です。売上に応じた費用や進め方の詳細は外部戦略執行責任者のページにまとめています。

関連ページ

相談したい方へ

コンサルの助言は受けているのに進まない。何から手をつければいいかも、もう一人では決めきれない。そんなときは、今の商品と、止まっている仕事をそのまま聞かせてください。どこで止まっているかを一緒に確かめ、こちらで引き受けられる所を具体的にお伝えします。先に自分の状況を確かめたい方には、今の事業のどこで止まっているかを数分で確かめられる診断もあります。

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執筆・監修:荒屋明神(一般社団法人アイン 代表理事/外部戦略執行責任者)。最終更新:2026年10月26日