
ホームページがあるのに問い合わせが来ないときは、見られていないのか、見られているのに進まれていないのかを先に切り分けます。多くの場合、直すべきなのはデザインではなく、訪れた人が次に何をすればいいかの道です。
「ホームページはある。ブログも書いている。それでも問い合わせが来ない」という相談は、小さな会社や先生業の方から繰り返し聞きます。リニューアルを考える前に、確かめる順番があります。
この記事では、一般社団法人アインの荒屋明神として、僕が現場で見てきた直し方を説明します。経営者・専門家・店舗や教室の運営者で、自分のサイトを自分で見直したい方に向けて書いています。
ホームページがあるのに問い合わせが来ないのは、何が原因ですか?
原因は大きく二つに分かれます。一つは、そもそも見られていないこと。もう一つは、見られているのに、問い合わせまで進まれていないことです。制作会社の解説や商工会系の相談サイトでも、まずこの二つを分けるのが出発点だと説明されています。
アクセスがほとんどないなら、ページの中身を磨く前に、見つけてもらう入口を作る話になります。アクセスはあるのに問い合わせがないなら、ページの中の道に問題があります。後者で止まっている方が、僕の周りでは多いです。
| 状態 | 起きていること | 最初にやること |
|---|---|---|
| 見られていない | 検索やSNSから人が来ていない | 入口を作る(ブログ、SNS、紹介など)。ページの作り直しは後回し |
| 見られているのに進まれない | 来た人が次の行動を選べない | 道を一本にする。この記事の中心テーマ |
| 問い合わせは来るが、仕事にならない | 相談したい相手と来た人がずれている | 誰に向けたページかを書き直す |
アクセス解析の数字が手元にない場合は、まず自分のスマホでサイトを開き、初めて来た人になったつもりで、申し込みまで本当に行けるかを試してください。それだけで、原因の半分は見つかります。

まず何を確かめればいいですか?
僕がいつも最初に見るのは、次の3点です。専門的な道具は要りません。
- サービスの内容と価格が、1つのページで確認できるか。ページを何度も行き来しないと全体が分からないサイトは、途中で閉じられます。
- 問い合わせか申し込みのボタンが、目立つ場所にあるか。画面を開いた瞬間と、ページの最後の両方にあるのが基本です。
- そのボタンが、実際に動くか。押してみてフォームが開き、送信でき、自分に確認メールが届くところまで試してください。
3つ目が意外と多いです。フォームの設定が古いまま、送っても届いていなかったという話は珍しくありません。引っ越しやサーバーの変更をしたあとは、特に確かめてください。
確かめるときは、パソコンだけでなくスマホでも試してください。問い合わせの多くはスマホから来ます。画面が小さいと、ボタンが隠れたり、入力欄が押しにくかったりします。
僕は「発信しているのに売れない」という相談の大半が、中身の問題ではなく道の問題だと見ています。これは僕の観測であり、統計ではありません。ただ、現場で話を聞くたびに同じ形に行き着くので、最初に道を疑うことにしています。
ページも商品も揃っているのに、なぜ人は進まないのですか?
商品がある、案内のページもある、診断のようなサービスもある。部品は全部揃っているのに現場が止まっている、という場面を、同じ週に何件も見たことがあります。揃っていることと、人が順番どおりに進めることは、別の仕事です。
足りないものを探して、商品や入口を増やしたくなる気持ちは分かります。ただ、選択肢が増えるほど迷う人が出ます。選ばせることは親切に見えて、選べなかった人をその場に置いていきます。
大事なのは、入口から何を見てもらい、どこへ進み、最後に何を選んでもらうかを、一本につなぐことです。売れない原因が技術の不足とは限りません。人が通る道が、先に整っていないだけのことがあります。

行き先が複数あると、なぜ問い合わせが減るのですか?
体を扱う教室の運営者から聞いた話です。その方は、インスタグラムも書き、ブログも書き、公式LINEもあり、予約のページもありました。それでも予約が入らない。
話を聞くと、中身の問題ではありませんでした。投稿ごとに「次に行く場所」が違っていたのです。ある投稿はLINEへ、別の投稿は予約ページへ。見た人は、どこへ行けばいいか分からず、どこにも行きません。
入口は増やしていいと僕は考えています。揃えるのは、着く場所のほうです。この方は、ピン止めの投稿の行き先を、公式LINEか予約のどちらか1本に決めました。そのあと、予約は毎月入るようになったと本人から聞いています。実数や時期は確認していないので、数字は書きません。
| やりがちな形 | 直した形 |
|---|---|
| 投稿ごとにLINE、予約、ブログと行き先がバラバラ | どの入口からも同じ1か所に着く |
| トップページにボタンが4つ横並び | 一番進んでほしい1つを大きく、他は小さく |
| 問い合わせ先が電話、メール、フォーム、LINEと4つ | 主役を1つ決め、他は補助として置く |
受け皿を一本に集約する考え方は、サイトでもSNSでも同じです。入口がSNSでも音声でも動画でも、最後はメルマガかLINEの一本に集める。分散させないことが、あとで数字を見るときにも効きます。

トップページの最初の2行には、何を書けばいいですか?
お客さんは、最初の2行しか見ない。僕はそう考えて書いています。長く丁寧に説明するほど届くと思いがちですが、実際は逆で、長いページほど、最初の数行で閉じられます。
最初の2行には結論を置きます。誰の、どんな困りごとを、どう解決する仕事なのか。本文は、そこで引っかかった人だけが読めば足ります。自分が読めた感覚で、本文を長くしないでください。
良さを、他の人から見える形で書く
サービスの良さを説明する言葉が、本人にしか分からないことがよくあります。「心が軽くなります」と書いても、隣の人には見えません。使えるのは、家族が見て分かる変化です。歩くのが楽になった。姿勢が変わった。笑顔が増えた。出かける回数が増えた。
3か月後、その人の家族は何を見て気づきますか。そう考えて書き直すと、文章が別物になります。頭の中で完結した褒め言葉は、問い合わせのボタンまで人を連れていきません。
年齢や属性より、今困っている状態を書く
「50代のあなたへ」と書くと、当てはまる人が多すぎて、誰も自分のことだと思いません。同じ50代でも、自己流で体を痛めて、いま直したいと思っている人だけが手を挙げます。属性で切る前に、今困っていることを1つ書いてください。

何年も触っていないサイトは、どこから直せばいいですか?
3年更新していないホームページは、「直すのが大変」では足りない状態になっていると僕は考えています。触った瞬間に表示が崩れて、真っ白になるかもしれないものになっているからです。
放置は静かに進みます。動かそうとした日にだけ、請求書が来ます。しかも金額は、放置した年数に比例します。WordPressも中の作りも、止めているあいだに古くなっていきます。
だから、直す順番は次のようにします。
- 変更前の状態を保存する。今のページをバックアップしてから、何かに触ります。
- 問い合わせの道だけ先に直す。ボタンの位置、フォームの動作、確認メールの届き方を確かめます。デザインの全面刷新は後です。
- 最初の2行を書き直す。誰の何を解決するかを、外から見える言葉で書きます。
- 毎月、少しだけ触る。必要になったら直す、では遅くなります。寿命は、触り続けた期間で決まります。

自分で直す場合と、任せる場合の分け方はありますか?
文章の書き直しと、道を一本にする判断は、事業のことを一番知っている本人がやるのが早いです。一方で、サーバーの設定、フォームの不具合、古くなった仕組みの更新は、専門の人に任せたほうが安全です。
| 作業 | おすすめの担当 |
|---|---|
| 誰の何を解決する仕事かを決める | 本人(事業のことは本人が一番知っている) |
| 最初の2行と、サービス内容の書き直し | 本人が決め、書く作業は任せてもよい |
| フォームやボタンの動作確認と修正 | 制作や運用の担当 |
| サイトの定期的な更新と保守 | 制作や運用の担当(毎月触る前提で) |
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問い合わせフォームは、どこまで簡単にすればいいですか?
フォームは、問い合わせの最後の関門です。ここで止まる人は、ページを読み、興味を持ち、押す気になった人です。一番もったいない離脱が、ここで起きます。
一般に、入力項目が多いほど途中でやめる人は増えると言われています。最初は、お名前、連絡先、相談内容の3つだけで十分です。住所や会社の規模、細かい希望は、返信のやり取りで聞けば足ります。
もう一つ見てほしいのは、送信したあとの画面です。「送信しました」とだけ出て、次に何が起きるのか分からないと、送った人は不安になります。いつまでに返事が来るのか、どこから連絡が来るのかを一言添えてください。自分で一度送ってみると、この不安がよく分かります。
- 項目は最小限にする(名前、連絡先、相談内容)
- 送信後の画面に、返事の目安と連絡元を書く
- 自分に確認メールが届くか、迷惑メールに入らないかを試す
- スマホの小さな画面でも、入力欄とボタンが押しやすいかを確かめる
問い合わせは来るのに、仕事にならないときはどうしますか?
商工会系の相談サイトでは、問い合わせが受注に結びつかない理由として、相見積もりの相手探しに使われている、情報を集めている段階の人が多い、狙う相手と閲覧者がずれている、の3つが挙げられています。どれも、まず来た問い合わせの中身を見ることから始めるという整理です。
僕がここで見るのは、ページの最初の2行です。年齢や属性で呼びかけていると、広く浅く人が来て、本当に困っている人が自分のことだと気づきません。今困っている状態を1つ書いたほうが、来る人が絞られます。件数は減っても、仕事になる相談の割合が上がる形です。
価格や進め方をページに出すことも効きます。比較だけしたい人は先に離れ、納得した人だけが問い合わせてきます。問い合わせが減ることを怖がらず、来てほしい人に向けて絞ってください。
見直しは、1か月でどう進めればいいですか?
全部を一度に直そうとすると止まります。僕のおすすめは、1週間に一つだけ決めて進める形です。これは僕が勧める進め方であり、決まった正解ではありません。自分の事業の忙しさに合わせて、週の割り振りは変えてください。
| 週 | やること | 終わりの目安 |
|---|---|---|
| 1週目 | 初めての人になったつもりで、申し込みまで通して試す。バックアップを取る | 迷った場所と、動かなかった場所の一覧ができた |
| 2週目 | ボタンとフォームを直す。送信後の画面に返事の目安を書く | 自分で送って、確認メールが届いた |
| 3週目 | 最初の2行を、今困っている状態で書き直す。行き先を1か所に決める | どの入口からも同じ場所に着く |
| 4週目 | 友人や家族に、同じ道を通ってもらう。迷った場所を直す | 他人が迷わず最後まで行けた |
4週目の「他人に通ってもらう」は、省かないでください。自分で作ったページは、自分には分かって当たり前に見えます。迷う場所は、他人にしか見つけられません。
この記事のまとめ
問い合わせが来ないときは、まず「見られていないのか、見られているのに進まれていないのか」を切り分けます。進まれていないなら、デザインを変える前に、三つのことを確かめてください。内容と価格が1ページで分かるか、ボタンが目立つか、ボタンが実際に動くか。
次に、行き先を1か所にそろえます。入口は増やしてよいのですが、着く場所が複数あると、人はどこにも行きません。最初の2行には、誰の今困っていることを解決する仕事なのかを、外から見える言葉で書きます。
最後に、毎月少しだけサイトを触る習慣を作ります。何年も放置したサイトは、直そうとした日に大きな手間がかかります。小さく続けるほうが、結局は安く、早く、確実です。まずはこの記事を閉じたあとに、自分のスマホで申し込みまで一度通してみてください。
よくある質問
ホームページを作り直したほうがいいですか?
先に道の確認をしてください。ボタンの位置、フォームの動作、最初の2行を直すだけで足りる場合は少なくありません。作り直しは、古くて触ると壊れる状態のときの選択肢です。
アクセス解析が分かりません。どうすればいいですか?
数字を見る前に、自分のスマホで初めての人になったつもりでサイトを開き、申し込みまで行けるか試してください。次に、友人や家族に同じことをしてもらいます。迷った場所が直す場所です。
問い合わせフォームの項目は、減らしたほうがいいですか?
一般に、項目が多いほど途中でやめる人が増えると言われています。お名前、連絡先、相談内容の最小限から始めて、必要な情報は返信で聞く形にすると、送るハードルが下がります。
LINEと予約ページと問い合わせフォームは、全部置いていいですか?
置いて構いません。ただし主役は1つに決めます。ほかは補助として小さく置いてください。着く場所がバラバラだと、見た人はどこにも行きません。
問い合わせは来るのですが、仕事につながりません。
誰に向けたページかがずれている可能性があります。ページの最初の2行を、年齢や属性ではなく、今困っている状態で書き直してみてください。来る人が変わることがあります。
どのくらいの頻度でサイトを触ればいいですか?
毎月、少しずつです。大きな改修を数年に一度行うより、小さな見直しを続けるほうが、壊れにくく、数字の変化も追えます。
自分のサイトの見直しを、相談できますか?
できます。現状を教えてもらえれば、見られていないのか、進まれていないのかを、短い時間で一緒に切り分けられます。
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相談したい方へ
サイトを作り直す前に、どこで止まっているかを一緒に見ませんか。現状を教えてください。先に自分で確かめたい方には、数分でできる診断があります。
執筆・監修:荒屋明神(一般社団法人アイン 代表理事/外部戦略実行責任者)。最終更新:2026年10月16日(現行の外部CSEOのページの記載に基づく)